【すずめの戸締まり】ダイジンの行動の考察と、大震災を扱うことについて

美大と関係ない話ですが、今更やっと「すずめの戸締まり」を見ました。
全体的に説明不足すぎて、特にダイジンという可愛い白猫ちゃんの行動理由が腑に落ちません。

で、考察を漁ったところ「すずめが好きだから」
これは安易すぎるし、説得力にかけます。「うちの子になる？」に喜んでたのに、逃走してたらすずめと暮らせませんよね。

考察のため、ダイジンの行動を順に追っていきます。最後に映画の感想も書きます。

ダイジンは、要石から解放してくれた恩人の家に行くと、閉じ師の男がいました。

そうたを要石にした理由は、「閉じ師によって要石に戻され、封印されるのを回避するため」

「すずめとの暮らしに邪魔者を消すため」だと思います。

ネットでは「すずめの役に立つため」とか「すずめを精神的に導く旅」とかありますが、もっとシンプルに。
「邪魔者のそうたを要石として打つため」だと思います。

戸締まり失敗して要石を打ってくれるのを期待してるんです。
これなら「人がいっぱい死ぬね♪」発言も納得です。すずめに要石を打たせようと精神攻撃してるんです。

~~僕と契約して魔法少女になってほしいQBかな？~~

要石を打たせるためにサイコパスQBしてきたダイジンが、最後あっさり要石に戻った理由。

まずこのダイジン、災害孤児なんだそうです。
作中の書物を解読した方がいて、過去の大震災時に当時の閉じ師と、要石になると志願した災害孤児によって、ミミズを鎮めたそうです。

なので、すずめが「私が要石になる！」と言った姿を、当時の自分と重ねたのではと思います。

自分から志願した役目を思い出して我に返り、そうたを救出して、最後は要石に戻ったのかなと。
親を亡くした孤児が、一体どんな思いで志願したんでしょうね…。

これは監督、ちょっと調子乗っちゃいましたね。
震災を扱うことが悪いんじゃなくて、被災者や遺族がたくさんいる現代において、3.11を扱うのは早すぎます。

悲惨さや命と、正面から向き合う内容ならまだしも、ファンタジーに恋愛ってどうなの。

自分は埼玉の人間で被災者でもなんでもないけど、当時は結構揺れたし、人生で初めての大地震だったし、ニュースで流れる東北の映像を見て愕然としました。

人が流された、家が流された、原発事故が起きた…想像するだけでも恐ろしく、衝撃的でした。

被災者でなくても当時の記憶が蘇ったのだから、震災経験者はもっとしんどいと思います。
俺なら震災をテーマに扱えるぜとか思ったのかな？

絵は綺麗だし、相変わらず作画もスゴイ！
けど説明不足で、考察を読み漁らないと分かりません。~~エヴァを目指してるんか？~~

あとファンタジーとは言え、リアリティのなさが気になりすぎます。
走ってあの距離を移動するのフィジカルすぎるし、旅先で会う人みんな良い人ってそんな訳ない。

これはダイジンが招き猫的な存在になってるらしいですが、作中で「もしかして…（招き猫？）」「にゃー」みたいなシーンがあれば分かりやすいのにと思います。そういう根拠付けがなさすぎるんですよね。

君の名はもそうでしたが、主人公が男の子を好きになる理由が全く分かりません。
出会いは「お、イケメンおる！」とついて行って、手当てした後に椅子になっちゃったんですよ？どう好きになるんだ？

あとさ、そうたの声が、カイジの声真似の人に聞こえるのは自分だけ？(笑)
ちゃんと声優つかってくれ～～～～！！！！！！

※この考察は小説版を読んでない人のものなので、間違ってたらすみません。