制服デーで自分だけ制服だった話 – 普通の人が美大に行ったら

制服デーとは、みんなで制服のコスプレして授業を受けちゃおうという日。

ムサビではよくあることで、他にも浴衣デーがあるとかないとか。

正確には、自分の他にも１人だけ制服の子がいたんだけどね。

何はともあれ…制服に振り回され、予想外の展開になった話です。

まさか、あんなことになるとは…。

「明日、制服デーらしいよ」と友達からラインが来る。
入学したてだったこともあり、このとき初めて制服デーというものを知った。

その友達も着ると言うので、その子だけ制服なのも可哀想だなと思い、高校の制服を着て行くことにした。

教室に入ると…みんな私服じゃねぇか！誰だよ制服デーなんて言ったやつ！
肝心の友達も私服着てんの。裏切りやがったな！

そもそも、その友達は別クラスで教室も別なので、意味がないんだな～これが。

「うわぁ～消えて～～！」って思ったのは最初だけで、入学したてのよそよそしい空気のおかげで、意外と平気だった。

もう１人、制服を着た子が現れてからは一気に心強くなり。
「制服なんだね！」と友達に声をかけられたぐらいで、授業は何事もなく終わった。

いいかい、制服デーだからって安易に着てはいけないよ。

それが仲間内での遊びなのか、クラス全体の企画なのかリサーチしてからにしようね！

制服デーはオープンキャンパスに合わせての開催だった。
もちろん周りには、制服を着た ”本当の” 高校生がいるわけで。

さっさと帰りたい一心で歩いてた時、３人のムサビ生に声をかけられた。

「芸術文化学科に興味ない？」
そっか、制服着てるから受験生だと思われたんだ！

大丈夫です、と言っても引き下がらない。完全にターゲットロックされてる。もうダメだ…。

「あの…実は…」本当のことを言おう。
「ムサビ生で映像学科なんです」

ニコニコと話してた３人の表情が消え、数秒の沈黙の後、腕を掴まれ連行された。
えー！どうなっちゃうのー！！

「せっかくだし他学科に遊びに来なよ」
と連れてこられたのは芸術文化学科の棟。

「高校生でも全然いけるね！ムサビ生だって気付かなかったよー」
「芸文って何を勉強する学科かわかんないよね～ｗ」
「体験型のワークショップやってってよ」

枝や葉っぱ、毛糸などを使って自由に工作しようというワークショップ。
教室には高校生もいたけど、子供の方が多かった。あれ…オーキャンだよね？

全然作るもの思いつかなくて、ただ見てるだけだった。
その点、子供の方がのびのび工作してて、無垢っていいなぁと思った。

これ全部、実話です。芸文って結局どんな学科なんだ？（褒めてる）

連行された時はどうなるかと思ったけど、高校生に擬態してたムサビ生に対してもフレンドリーで、パワフルな先輩方が素敵でした。

もう制服なんてこりごりだけどな！